状況A:要救助者が「仰向け(フェイスアップ)」または中層で浮いている場合
すでに顔が上を向いているため、そのまま背後に回り込んで一体化する基本ルートです。
- 1. 背後からの水平アプローチ: 要救助者の視界に入らないよう、真後ろかつ同じ水深(レベル)から直線的に接近します。
- 2. シリンダーバルブの確保: 片手で相手の「シリンダー(タンク)バルブ」または「BCDの肩口」を上からガッチリと掴んで固定し、水中での離散を防ぎます。
- 3. あごの保持と気道確保: もう一方の手(利き手)を相手の脇の下から通し、相手の「あご(下顎角)」を後ろから包み込みます。頭を少し後ろに反らせ(頭部後屈)、レギュレーターが口にあれば親指と人差し指で上から押さえて保持します。
- 4. レスキューポジションへの移行: 自分の胸を相手の背中にピタッと密着させ、二人の体を完全に一体化させます。
【仰向け時の対応手順】
真後ろ(背後)から水平に接近 ➔ バルブとあごをホールド ➔ 胸を背中に密着させてホールド完了。
状況B:要救助者が水底などで「うつぶせ(フェイスダウン)」で倒れている場合
うつぶせのまま引き上げると気道が確保できず水を飲ませるため、その場で必ず「仰向け」に反転させます。
- 1. 頭側の真上からのアプローチ: 足側から近づくと相手の体に乗り上げてしまうため、必ず要救助者の**「頭側の真上(背後)」**から水平に接近します。
- 2. 回転軸の固定: 頭越しに手を伸ばし、片手で相手の「シリンダー(タンク)バルブ」または「BCDの右肩口」を上から掴みます。これが反転の軸になります。
- 3. 顔(あご)のホールド: もう一方の手(利き手)を相手のあごの下へ回り込ませ、手のひらで「あご」を包み込みます。レギュレーターが口に残っていれば指で押さえて脱落を防ぎます。
- 4. テコの原理で反転(ゴロンと転がす): 両手のホールドを維持したまま、救助者自身の体を相手の「真横(サイド)」へとわずかに移動させます。シリンダーを掴んでいる手を手前(または奥)に押し引きし、タンクの重みを利用してその場でゴロンと仰向けに回転させます。
- 5. レスキューポジションへ固定: 仰向けになった瞬間、すぐに相手の真後ろ(背後)へ滑り込み、胸と背中を密着させてレスキューポジションを完成させます。
【うつぶせ時の対応手順】
頭側の真上から接近 ➔ バルブとあごを掴む ➔ 体を横にずらし、シリンダーの重みで反転 ➔ 背後に回り込み密着。